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ぴかろんの日常

ぴかろんの日常

BHC サイドストーリー 15

こどもぱん   ぴかろん

イナが楽しげに『こどもぱん』を作っている
(大好きな)ヨンナムさんからアイディアを貰ったので余計張り切っているようだ
その様子をうんうんと(大きな)顔をタテに振りながら、チェミがにっこりと笑って見ている
試しに作った『こどもぱん』の二次発酵を待つ間、この(ムショトーフ)コンビはヘラヘラケラケラゲラゲラと笑い転げた
発酵が終わりオーブンで焼き上げる間も、昨夜話し合われていたらしい闇夜とテスの『こどもぱん販売促進計画』の打ち合わせをする二人
中々よいコンビである
そりゃあテスが妬くのも無理はない

焼きあがったパンを見て、二人は満足げに微笑み、もう一度ゲラゲラと笑い転げた
二人は二階のリビングにたむろしている連中にその『こどもぱん』を試食してもらうべく、トレイに並べた
鼻歌まじりに階段を駆け上がるイナ
その後ろからトレイを掲げたチェミ
二人がリビングの扉を開けると、そこにたむろしていた連中が一斉に視線を浴びせる

「よっ!」
「待ってました!」
「どんな感じなの?」
「「「「は?なんだこれ…」」」」

皆は目を丸くしてトレイの上の『焼きたてこどもぱん』を見つめた
それはどうやら『裏返しに置いてある』らしかった
そしてどれもが『同じ形』をしているのである

「なんで同じ形なの?」
「チェミぃ、昨日の話ではさぁ…味を変えるとか言ってたじゃないさぁ」
「こんな同じ形じゃ、味で選べないじゃん?」
「そーそー。くりいむぱんが食べたいのに選んだらカレーぱんだったなんてことになるじゃん」
「あ!それもいいね(^o^)イナ作なんだから博打っぽくてさぁ」
「あぁそうかぁなるほど、そこまで考えたの?」

皆は口々に思ったことを述べている
ただ一人ヨンナムさんだけが戸惑いながらもうふふんと笑っていた
頭のてっぺんに「?」マークをくっつけて…

『僕が出したアイディアは、それぞれ形を変えていろんなネーミングをつければってものだったのにな…なんで同じ形なんだろう…
よっぽど「ちょんぐさんのみみ」が好きなんだな…ふふふ。ふふ。…。…かわいいな…』

といったような事を考えている風なヨンナムさんであった

「ちっちっちっ。そんな事したら何が何だかわからんとクレームがつくだろうが」
「でもチェミ…これじゃあそうなっちゃうじゃん」
「ふふ…どうして裏返ってるか考えてみろ」
「…え?」

皆の視線が裏返った『こどもぱん』に集中した
そして皆は一斉に『こどもぱん』に手を伸ばし、表へとひっくり返した

「「「「あ…。ぎゃはははは。ひーひーひー」」」」

皆の笑い声を聞いた時、イナとチェミはふふんと笑った

「これっこれっ…何よっひーひー。可笑しいけどなんだかわかんないよぉひーひー」
「なんだよ!わかんないのかよ!」

少し口を尖がらせてイナは一つ一つを指さし説明しだした

「これは『ちょんぐのみみぱん』。これが基本の形ね。んでこれが『きつねのみみぱん』。これが『きつねのしっぽぱん』でこれが『つりめぱん』
それからこれは『ぐらさんぱん』。んでこれが『なみだぱん』」
「『ちょんぐのみみぱん』は、今日はアンコを入れた。日替わりで中に入れるものを変えればいいかと思う。『きつねのみみぱん』はクリームが入ってる
『きつねのしっぽぱん』はジャム。『つりめぱん』のこのめんたま部分をオリーブにするかサラミにするか迷ってる
それから『ぐらさんぱん』は、このグラサンの部分にココアを混ぜ込んでくっつける
んで『なみだぱん』は岩塩を使って塩味なんだけど噛むほどに甘味がでてくるようにした
日によって、あるいは作者である『こども』の気分によって、中に入れるものを変えるって事も考えてる
例えば『ちょんぐのみみぱん』は気分のいいときはアンコで、ちっと気分がよくないときにはカレーだったりする
『きつねのみみばん』『きつねのしっぽぱん』についても同様だ
クリームかチョコクリーム、イチゴジャムかその他のジャムってな具合だな」
「んで、『つりめぱん』は気分によってチーズが入ってたりさ。『ぐらさんぱん』は混ぜ込むものがココアだったりほうれん草だったり」
「『なみだぱん』だけは塩味でいこうかと思う。どうだ?」

二人が真剣に説明しているのに、聞いていた連中はげらげらと笑い転げていた
試食を終え、生地がもう少し滑らかになれば店頭に出せるだろうという結論に落ち着いた

次に闇夜とテスが『こどもぱん販売促進計画』を発表した
『こどもぱん』購入者には『ポイントシール』をつけ、貯まった点数によって、グッズが貰えるという仕組みにするのだ
そのグッズについては、闇夜とテスの二人がオーナーをせっつき、既に製作を始めているとのことだ
ノリノリのオーナーは、早速『こどもぱん宣伝用イラスト』をFAXで送ってきていた
そのイラストを見て、イナは満足そうに微笑んだ

「ちょっと可愛らしすぎない?」

とラブが意地悪く言った

「なんでミンチョルさんまで出てくるの?」
「親友だからだろ」
「それにしても…可愛いっ!きいいいっほしいっ」
「あれじゃない?ギョンジンあたり、やっきになってポイント貯めてグッズ全部制覇するんじゃ…」
「じゃ、制覇した暁には、俺がそれをぜーんぶ盗んでやる!」

皆、そのグッズ計画に夢中になった
こうして『こどもぱん計画』は、『チェミのパン屋さん開店計画』よりも先にどんどんどんどん進められていったのであった



親分の春  足バンさん

俺はサンドゥだ
忘れたとは言わせねぇ

祭ん時はちっとは目立ってた時もあったんだけどな
ここんとこさっぱりお呼びがかからねぇ
いや、あの時からメイクってやつにけっこうハマってな
けっこういろんな勉強してんだ
店でもマダムたちに講習会開いてるんだぜ
今度”ピュアピュアサンドゥ”って初心者向け3回コースやるから是非おいで下さい

んでもよ最近こう…調子出なくてよ
イナのやつは見かける度にうつろな目でうろうろしてやがるし
まぁそれがちょっとかわいかったりもするんだけどな
チョンウォンのやつはプライベートが忙しくて店に寄りつきゃしねぇ

あのテスのやつに至ってはルンルンしてパン屋さんの準備に追われてるし
世話になった俺に「親分どうっすか味見してみて下さい」なんつって
ホカホカ出来立てパン持ってくんの待ってんだけどよ
昔は「ゴッドファーザー」のレンタル代まで組の経費で落としてやったんだからよ

え?いや、パンが食いたいわけじゃねぇぞ
まぁそりゃこう見えてもパンにはちょっとうるさいんだけどな
ええとよ…クロワッサ~ンってやつ知ってるか?
ムッシュ~って感じだろ?
そういうハイカラな響きってちっとくすぐったいわな
正直言うと一番好きなのはうぐいすパンだ
うぐいすが入ってるわけじゃねぇぞ
うぐいす豆がこってり入ってるアレだ
豆はすっかり潰しちゃなんねぇぞ、うん
食感ってやつを大事にしなきゃいけねぇ…ショッカァ~ンって感じでな

まぁテスのやつとはいろいろあったがよ
かわいい舎弟の幸せはそっと見守っちゃう
それが俺様のいいとこなんだ…くぅっ泣けるだろ?
ってかあの側にくっついてるデカイのがちっと恐いだけなんだけどな、うはは

まぁところで今日の本題は舎弟問題じゃねぇ…もちっとあーてすてっくよ
大きな声じゃ言えねぇがよ
隣のBHCの理事がな
どうもニホンでコンサートをやるらしい
え?コンサートじゃねぇファンイベントだって?
んなもんどっちだって同じだ
とにかく何でもめちゃくちゃデカイとこでやるらしい
何てったって「とんきょうどーむ何杯分」って単位があるくらいだぞ
え?単位じゃねぇのか?
まぁ細かいことはいいや

でだ、俺様も考えたってわけだ
そのドームってとこでオールインの連中集めて
一発なんかできねぇかってよ
え?ドームは大き過ぎる?
あっっっ!今!俺様がちっちぇえって言ったなっ?
んなでかい場所ならこの際20~30センチは物の数じゃねぇ!
大同小異ってやつだ!…ん?何か違うか?

んでだちょっとチュニルとスングクのやつに相談に来たってわけだ

「それは考え直した方がいいでしょう」
「はい…やめた方がいいです」
「何でだよあっちはひとりだ…こっちはオールイン全員でどうだ?」
「それはイナの出演可否に関わってくるんじゃないですか?」
「イナには頼りたくねぇ」
「それは難しいですね…客観的に」

「おいチュニル…おまえ自信ないのか?密かなファンもいるって話だろ」
「私はこうして美しいお茶の世界を楽しんでいれば十分です」
「スングクおまえはどうなんだよ」
「僕は欲望を顔に出しません」
「おまえそんな薄い唇してっからデカイことできないんだぞ!」
「薄くても丈夫です…熱い役もやっています」
「ワケわかんねぇし」
「ドームで我々何やるんです?」
「いろいろできるじゃねぇか!チャリティーとかよ」
「ほう…」
「トファンのカツラとかマイキーの変なシャツとか馬のビデオとか何でもいい」
「そんなものが売れますか?」
「頭使え!それに全部イナのサイン入れるんだ」
「十分イナに頼ってますが」
「イナが嫌がります」
「いいんだよ!サインは俺たちが書きゃいいんだろ」
「それは詐欺行為です」
「わかりゃしねぇよ!使用料くらいすぐ回収できるだろ」
「使用料?」
「ドーム使用料だよ…ええとなここにな…平日2時間20分で¥367,500!…以外と安いだろ?」
「親分…これ草野球のグラウンド使用の場合です」
「え…違うの?」
「天と地ほども違います」
「わかりゃしねぇ!草野球で申請すりゃいいんだよ」
「スタンド代は別途ですよ…お客様はどうするんですか」
「みんな選手だって言って入ってくりゃいい」
「どれくらい呼ぶんです?」
「そ、そりゃ…ご、5万人よ」
「5万人も選手が出る草野球ですか?」
「おうよ!新しい野球の夜明けだって言ってやれチュニル、スングク!」

それっきりあいつら何も言わなくなっちゃったんだけどもさ
今日の所はそのくらいで勘弁してやったわけだ
能あるサンドゥに”ドームまいりました”なんちゃってなっ!


あの…ここ笑うとこなんだけど


MGJの日常   ぴかろん 

僕は最近ダーリンに酷い仕打ちを受けている
どんな仕打ちかって?
けひひん…
ちっともナニのアレをしてくれないのだ
ナニのアレどころか寄り付きさえもしないのだ
ぐすん
どうして?
僕が何か悪い事したの?
僕は涙をいっぱい溜めてダーリンの前に跪いた

「どーぉぉぉして僕を無視するのっ?」
「無視なんかしてないよ」
「らってしゅっごくちゅめたいもん」
「らりるれんなよ気持ち悪い!」
「けひーん」
「俺いろいろ忙しいの。じゃね」
「ああんまってぇぇ」
「ついてくんなよ!ついてきたら一生口きかない!」
「けぇぇぇぇ」

万事こんな調子だ
哀しい
控え室でグスングスン泣いていたらハリーがティッシュをくれた

「花粉症ですか?」
「げひっ…うん…妖艶きまぐれ花の花粉症さ…」
「新種ですか?聞いたことないな。メモしておこう。『ヨーエンキ・マグレバナ』ありがとうございます。ギョンジン先輩の傍にいるととっても勉強になります」
「けひん…君は素直で勉強熱心だね…ごほ…そうだ…一度僕のうちに招待するよ。僕のうちって言っても弟のマンションだけどね…どう?」
「ありがとうございます。今度うかがいます」

やった!
ふふん…ダーリンが冷たい間はハリーと遊ぼっと♪

バゴン☆
「あっごめぇん、手が滑っちゃってぇ百科事典がとんでっちゃったぁん」
「ら…らぶぅぅ…ぼぐのずのうめいせきなおづむがパーになっだらどうずるのよ…」
「あはん?初めからパーなんじゃあないの?!」

ダーリンはわざと百科事典(何で今時そんなものを持ち歩いているの?!)を僕にぶつけたんだっひどいっ
それにダーリンはさっき『じゃあね』っちって出てったはずなのに…
はっ…
もしかして、妬いてる?ねぇ妬いてる?♪るんっ(^o^)

「ここんとこ痛ぁい」
「どこ?」
「ここぉ」

僕はダーリンに体を摺り寄せて甘えっこしてみた

ぺちっ

「あうんっ」
「大丈夫だよ、あんた岩窟君の兄貴なんだから頭硬いでしょ?!」
「ああん頭は硬くなぁぁぃやわらかぁぁい硬いのはぁラブの大好きなぁ僕のぉ」

ばきどす☆

「大丈夫ですか?ギョンジン先輩」
「あ…ハリー…大丈夫だよ」
「ラブ先輩、酷いですよ、ギョンジン先輩がかわいそうです」
「ソグくん」
「はいっ」
「気をつけなよ…その男、ものすごぉぉく手が早いから」
「手?足が速いとお聞きしましたが。なんでもラブ先輩の危機を救われたとかで」

そうそう。あのダーリン略奪陵辱阿呆ジジイからダーリンを救出したときの僕って自分でも惚れ惚れしたもぉん♪

「足ね…確かに早い。でも、手も早い。気をつけな」
「はい!ぶたれないよう言動に注意致します」
「…いつもスパナ持ってたほうがいい」
「スパナですか?コンパスではダメですか?」
「いいよ。針を長くしてね、君『ハリー』だから」
「それでは円が描きにくくなりますが」
「円を描く時は針を戻して…長くしとかないと突けないでしょ」
「は?」

ああハリーの堅物ボケキャラが可愛くってけひひーん♪

「とにかく…アンタ、若い子に手出しするんじゃないよ」
「あい」
「…それと…いい加減、日記のありか、吐いたら?」
「だめぇぇ絶対だめっ恥ずかしくて誰にも見せたくなぁぁい」
「…見せたくない…へえええほぉぉぉん…ふぅぅん…。じゃ、俺、ちょっとcasaに行ってくるから」

ダーリンはこの所、朝に夕にとBHC近くの『あやかしのcasa』とかに入り浸っている
僕もお邪魔したいのだがダーリンが連れてってくんない
なんでも、そこのパン職人さんが危険だからだって…
どういう種類の危険?
はっ…まさか…まさかダーリンパン職人さんの手で『捏ね繰り回されて』いる?(@_@;)
ああううう…
僕以外の人の手で捏ね繰り回されるダーリンっ!きいっ!
見てみたい…はあはあはあ…
それを見て耐え忍びたいっはあはあはあ…

「先輩、どうしたんですか?急に息遣いが荒くなって汗が…」
「ああハリー息苦しい…ああ…じ…人工呼吸を…」
「はいっ!では、失礼します」

ああ素直なハリーが僕の鼻を摘んで人工呼吸の動作に入ろうとしているうっとり…
僕はそっと目を瞑り、口を半開きにしてハリーの熱い唇を待ち受ける
触れ合えば後は僕の舌技でケヒヒヒヒーンキヒヒヒヒーひいいひいい!ひひゃいっひひゃいっにゃんらこりぇはっ

「だめだよこいつに簡単に人工呼吸なんかしちゃ!」
「でもラブ先輩…ギョンジン先輩とっても苦しそうだったんで…」
「罠だよ!君、杓子定規な反応してちゃだめ!」
「でも僕、設計図とか測量とか得意だからどうしても定規が好きで」
「ひひゃいいひゃふけれよぉぉひひーんひほへー」
「君さぁ、なんでこんなバカの言う事素直に聞いて俺の言う事聞かないの?!こいつの言いなりになってたら仕舞いにこんなバカになっちゃうんだよ!」
「酷いですラブ先輩!いくらギョンジン先輩の恋人だからってそんな風に言うなんて!ギョンジン先輩はスマートで頭脳明晰でかっこいいです!僕の憧れですっ!」
「…ふぅん…ふぅぅぅぅぅううん!あっそ!あぁっそぉっ!」
「らぶぅ、こえにゃに?にゃにいりぇたろ?しゅっごくいたいんりゃけろ…」

口の中が物凄く痛かった

「ああ。ハラペーニョ」
「はひゃへーひょっ?」

あの、世界一辛い唐辛子?!

「ひいいいいくちびゆがはれましゅっくちびゆがっちゅかいもにょににゃりまへんっ」
「大丈夫。キスできないだけだ」
「ひどいれしゅっ」
「じゃ、ね」

ダーリンは凄い目でハリーを睨み付けて今度こそ本当に出て行った

「ギョンジン先輩、大丈夫ですか?」
「はやぺーりょ取って…」
「ちょっとお待ちください。ビョンウ、ビョンウ~」

なんでメガネズ1号を呼ぶのっ!君がそのちっと出ぎみの歯で挟んで取ってくれたらいいんじゃないのぉぉぉ

「ん?んん、わかった」

メガネズ1号は僕の口を覗き込み、手術用ゴム手袋をはめた

「ピンセット」
「はい!」
「ソグさん、これ、コンパスだよ」
「あ…ごめん。はい」
「ギョンジンさん、あーん」
「ひゃーん」
「うわ、でかいじゃん…」
「でかいね」
「大丈夫ですか?」
「ひゃやくとって…」
「よいしょっと…」
「ひぇぇぇええ」
「先輩、お水です」
「くちうちゅしれのましぇてよ、ハリー」
「はいっ」
「待ってソグさん!ギョンジン先輩の唇には今のハラペーニョの成分が着いているはずだ。口移しで飲ませたら今度は君に危険が及ぶ」
「危険って…ギョンジン先輩は平気じゃないか。少し呂律が回ってないけど」
「ギョンジン先輩は特別な体質だから大丈夫なんだ」

特別な体質?そうだっけ?

「元スパイだし、恋人はラブ先輩だし、その上弟さんが岩窟厳格だし、弟さんの恋人は紫狐だし、恋人を略奪された事もあるし、噂では弟さんを○×しようとしたとかだし、それに五歳児さんも一緒のフロアにうろちょろしてる」

あんだ?それがどうしたんだメガネズ1号

「そんな刺激に耐えている先輩だからこそ、今のハラペーニョにも耐えられたんだ」
「そう?」
「そうだよ。普通の人なら既に唇がオバQになっている」
「オバQ…なぜ君が知っているのか不思議だ。そしてなぜ僕も知っているのだろう…」
「あいあいあいぼくしってりゅ。みてた」
「それでだ」
「おいっめがれじゅいちぎょう!しぇんぱいをむししゅるなっ」
「普通の人なら耐えられないけど先輩には耐えられる。なぜならば、先輩は、究極の『えむ体質』だからだっ!」

おおおおお
めがねず1号
君は鋭い!
そのとおおおりっ
僕は『えむ』でぇぇぇっす♪

「そうなんだ…先輩はそんな体質なんだ。僕も先輩のような体質になりたい。そうすれば誘惑にも負けず、耐え忍ぶ屈強な男になれるよね?ねねね?」
「…ソグさん…根本的に間違ってます」
「じゃあ基礎工事をやり直して」
「…えっと…ギョンジン先輩、大丈夫ですね?」
「ひゃい」
「今日一日、誰ともキスしないでください」
「ひぇぇぇええ?しょんなぁぁ」
「いいんですか?『傷害罪』で訴えられても」
「ひぇぇぇぇえええ?」
「ハラペーニョの刺激成分で他人の粘膜を傷つける…立派な傷害罪です」
「りゃあ…りゃあ、らーりんを『しょおがいらい』れ訴えてもいい?」
「ラブさんがギョンジン先輩の口にハラペーニョを放り込んだのは、ただの『お仕置き』でしょう」
「なんれよぉぉ」
「ラブさんはギョンジン先輩の体質をとてもよく理解されていると思われますが…違いますか?」
「しょ…しょーれしゅっ♪」

うふん…なんだかんだ言ってもダーリンは僕のことを理解してくれているんらな…
じゃあ僕もダーリンのことを理解しなくっちゃ…くふふん…
そう…ダーリンは悪魔的な『えす気質』なんらもぉぉんけひっ

「先輩…BHCって奥が深いですね…僕、先輩を目指して頑張ります!」
「けひん、唇が治ったらいりょいりょおひえてあげゆかりゃね」
「はいっ」

僕の毎日はとても楽しいですっけひっ♪


ジュンホ教習所に行く  れいんさん

「今度の夏休みは家族で海に行きましょう。ジュンホさんの運転で」
ソニョンさんにそういわれたのがきっかけでした

それからぼくの『きょうしゅうじょがよい』がはじまったのです
きょうしゅうじょには、あまりいいおもいではありません
でも、こんどこそうんてんめんきょをゲットして、ソニョンさんをじゅしゅせきにすわらせたい
いまからかよえば、なつやすみまでにはまにあうでしょうか
ぼくは、かぞくとのドライブをゆめみて、がんばろうとこころにきめました

そしてきょうは、きょうしゅうじょだいいちにちめ・・
てつづきをすませたあと、ぼくをたんとうしてくれるきょうかんをしょうかいされました

ちてきで、きひんもあり、ちょっといろけもあるみりょくてきなろうしんし・・
えっと・・
このひと・・どこかでみたような・・
だれだったっけ・・
ぼくのきおくは、ときどきふうせんのように、ふわふわとどこかにとんでいくことがあります
うでぐみしたまましばらくかんがえこみました
そしてようやくおもいだしました
このまえのよる、ソニョンさんといっしょにみたえいがにでてたひとににてます

ふだんぼくはホラーやサスペンスえいがは、あまりみません
こわくてドキドキするし、からだにもわるいからです
ほのぼのとこころあたたまる、さいごにはホロリとくる、そんなえいががすきです
いちばんのおきにいりは「しあわせのきいろい○○○○」
あれはなけました
「はまちゃん、スーさん」も1さくめからずっとみています

ソニョンさんはぼくとちがい、ハラハラドキドキするえいががすきです
あのひのよる、ソニョンさんにつきあわされてみたえいが
ひつじがなんとかってタイトルの・・
ああ・・そうだ、レクターはかせだ
たんとうのきょうかんは、そのレクターはかせにそっくりでした

ひととおりのあいさつをすませ、レクターせんせいは、ゆうがなものごしでじょしゅせきにすべりこみました
そしておごそかにてもとのバインダーをひらき、モンブランのまんねんひつをうちポケットからだしました

たったそれだけのどうさにも、ぼくはなぜかきんちょうしました
せすじがピンとのびるかんじです
レクターせんせいのまえでは、どんなささいなポカもしちゃいけないようなきがしました

しゃないはしんとしていました
しんとしているのもきまずいですが、かといってむだなおしゃべりもできません
ぼくは、すーはーすーはー、しんこきゅうをしようとおもい
まちがえて、すーすーはーはーしてしまい、よけいにいきぐるしくなりました


こきゅうほうをやりなおしていると
「・・さ、始めて・・」
レクターせんせいが、ものしずかにいいました

ゴ、ゴクリ・・
なにからはじめるのか、あたまのなかがいっしゅんまっしろになりました
でもちゃんと、でだしの『キマリもんく』をいえました

「マエよし、ウエよし、ウシロよし、ミラーよし」
「・・『上』は見なくても大丈夫です・・」
レクターせんせいがぴしゃりといいました


きをとりなおし、ぼくはアクセルをおもいきりふみました
ブォーブォーブォォォォーっ

なぜでしょう
まえにすすみません・・

「・・サイドブレーキ引いたままです・・」
レクターせんせいがすぐにツッコミました

あわててサイドブレーキをおろしたら、キキキキィっと、はでなおとをたててくるまがきゅうはっしんしました
ぼうそうぞくだとおもわれなかったでしょうか
いまのきゅうはっしんで、みちにタイヤのあとがついたのではないかと、それもきになりました

じょしゅせきでは、カックンとまえのめりになったレクターせんせいが、みだれたかみをととのえていました
それからゆっくりとまんねんひつをとりだし、バインダーになにやらかきこみました
なにをかいたのかしんぱいでしたが、よそみをしてはいけません

ぼくはハンドルを10じ10ぷんのいちにしっかりにぎり、まえをみました
それからしばらく、きょうしゅうじょないのコースをはしりました
はしっているうちに、だんだんきもちがおちついてきました


「・・もうすぐ踏み切りです」
レクターせんせいがいいました

ふみきり・・
どうしてきょうしゅうじょないに『ふみきり』があるのでしょうか
そんなぎもんもわきましたが、とにかくいまは、めのまえのふみきりをどうにかしなくてはいけません

ふみきりまえでは『いったんていし』
でんしゃがきていないか、しっかりとさゆうかくにんし、ねんにはねんをいれウインドウをあけ、でんしゃのおとがきこえてこないか、みみでもかくにんする・・
それだけのことです
だいじょうぶです
ちゃんとできます

ぼくはウインドウをあけ、みみをそばだてました
そのとき、まどからかぜがはいりこみ、ぼくのかおをくすぐりました
さわさわさわ・・・
なんだかとてもいいきもちです
ちょっとだけめをとじてみました
ことりのさえずりがとおくにきこえます
ああ・・
なごみのひととき・・
きのせいか、おがわのせせらぎまできこえてくるようです
とおーくでーきてーきをーきーきーながーらーー
こころのなかで、そんなうたをくちずさみました

「・・いつまでそうしているつもりですか?」
レクターせんせいがむひょうじょうにいいました

せんせいのそんざいを、すっかりわすれてくつろいでしまってました
ぼくはいそいでウインドウをしめ、ハンドルをにぎりなおし、ふみきりをつうかしました
レクターせんせいのまんねんひつのおとは、なるべくきにしないようにしました



「・・次はS字カーブです」
レクターせんせいがボソリといいました
えすじカーブ・・
つぎからつぎに、むずかしいかだいがたちはだかります
えっと・・『えす』ってどんなじだったっけ
ぼくは『えす』のかたちがおもいだせないまま、そこをつうかしました

「・・S字をM字に通りましたね」
レクターせんせいがまゆねにしわをよせていいました


てのひらがだんだんあせばんできました
タイトルせんのときをおもいだし、おちつこうとじぶんにいいきかせました


「・・次は縦列駐車です」
レクターせんせいがたんたんといいました

じ、じゅうれつちゅうしゃ
みると、ていししたくるまがいちれつにならんでいます
そのれつのなかの、1だいぶんあいたスペースに、むりやりくるまをちゅしゃしろという、やっかいなもんだいです
どうしてそんなむだなことをするのでしょう
ほかにあいているばしょをさがしてとめたほうが、あんぜんでこうりつてきだとおもいます
こころのなかでそうおもいましたが、レクターせんせいにはいえません

ぼくは、なんどもなんどもこきざみにハンドルをきり、ようやくそのばしょにとめることができました
「コホン・・随分時間がかかりましたがよくできました」
レクターせんせいがはじめてほめてくれました
うれしくて、くるまをだすときレクターせんせいにほほえみかけました
そしたらうっかりまえにとめてあったくるまのかどにぶつけてしまいました
いえ、ほんのかすりきずです
レクターせんせいはきづいたでしょうか

「・・つぎは坂道発進です。それで今日の課題は終了です」
レクターせんせいがおちついたこえでいいました
・・さかみちはっしん・・
ぼくははげしくこうかいしました
どうしてATめんきょにしなかったのでしょう
いまさらそんなことをいっても、のぼりざかはようしゃなくぼくのまえにせまってきます
そしてさかのちょうじょうであかしんごう
ブレーキをふみ、ていし
それからゆっくりとサイドブレーキをひきます
・・ドキドキドキ
これがうまくいけば、きょうのかだいはしゅうりょう

しんごうがあおにかわりました
いよいよです
ブォーブォーブォォォー
アクセルのきあいはじゅうぶんです

あとはこのままサイドブレーキを・・
あ・・あれ?
あ?・・ああああ
サイドブレーキをおろしたとたん、スルスルとくるまがぎゃっこうしていきます
どうしたものかと、おそるおそるレクターせんせいをみました

レクターせんせいはとってにつかまり、みぎあしをつっぱり、おもいきりふんばっていました
このときはじめて、せんせいのかおがひきつるのをみてしまいました


そんなわけで、そのひのきょうしゅうはしゅうりょうしました
レクターせんせいのヘアスタイルは、きょうしゅうまえよりみだれていました
ぼくは、ヨロヨロとあるいていくレクターせんせいのうしろすがたをみおくりながら、ふかぶかとおじぎをしました


しるばー・ふぉっくす 1 オリーさん

攻撃は最大の防御なり
こんな単純な事を忘れていたとは不覚だった
だが昼間、とある場所を訪問したことで思い出した
そうなのだ
攻められる前に攻めればいいのだ
負けないために闘うのではなく勝つために闘う
これだっ!

そう決めるとさっそく一度目を攻め抜いた
相手は手ごわいとはいえ、もとはわんこだ
この僕が負けるわけがない
何しろ僕は狐だから
しかも血統書つきの貴種しるばーふぉっくすなのだっ
ふぉっふぉっふぉっ!

犬の弱点である顎の下、耳の後ろ、そしてわき腹など
必要以上の攻撃をしかけ、多大な成果を上げた
そして当然のごとく僕は勝利した
僕に蹂躙され凌辱され征服されつくしたわんこは
もはやハウンドの面影もなく
ただただしっぽを振って僕にひれ伏すのみだ
ふぉっふぉっふぉっ!

たがここでやめるわけにはいかない
勝つための闘いであるのはもちろんだが
さらにもうひとつの目的も忘れてはならない
消費するための闘いだ
入れたものは出せばいい
これも簡単な理論だ
テソン、いい事を思い出させてくれた
ありがとうっ!
ふぉっふぉっふぉっ!

もう何も恐れることはない
入れたら出すっ、これなのだっ
そのためにはやりまくる、けほっ、
もとい出しまくる、けほっ
もとい・・・えっと・・消費しまくる
そうすればいくら摂取しても大丈夫なのだ
そんな単純な事を今まで忘れていたなんて
僕は自分のふがいなさを責めた

それもこれも、つり目のハウンドが必要以上に威嚇するからだ
だが、もうそれも終わりだ
好き勝手なことはさせない
これからは僕がすべてを仕切るっ
そうすべてを
ふふん
一度目は攻め抜いた
二度目も攻め抜いてやる
二度と大きな口をたたけないように
水に落ちた犬を叩くようなまねはしたくないが仕方がない
これは闘争なのだ
ふぉっふぉっふぉっ!

本当にすまなかった、まいべすとふれんど
僕がふがいなかったばっかりにお前を泣かせてしまった
お前が丹精こめて作ったものを拒否しなくてはならないなんて
僕は身を切られるほど辛かったんだ
長年の友情も消えてしまうのではないか
僕はそれを危惧している
どうか僕を許してくれ
二度とお前を失望させるような事はしない
今夜の闘争がうまくいけば、僕は自由だ
ふりーだむ・・
なんていい言葉だろう
ふぉっふぉっふぉっ!

だから待っていてくれ、べすとふれんどよ
今夜この闘争に勝ち抜いたなら
お前の作ってくれた物を大量に摂取できるんだ
もう摂取は怖くない
なぜなら摂取と排泄もとい消費はセットとなり、
僕は自由の身となれるのだから
大量摂取の日は激しい闘争
少量摂取の日は軽い闘争
それでいいんだ
くりーむでもちょこでも山盛り作ってくれっ
まいべすとふれんどよっ
奥行きのある僕の口が
歓喜の声を上げお前の作品を迎え入れるだろう
ふぉっふぉっふぉっ!

僕は舌舐めずりをして
怯えながらもちっと期待をこめた目をしているわんこを見下ろした
いいかい、僕が本気になるとこうだよ
今から身をもって体験させてあげよう
もっともっとすごい世界を
さあ、もう一度だ
もう一度僕が攻める
交代するなんてありえね~から・・
失礼、ありえないから、けほっ
覚悟はいいね?
僕はそう言ってわんこの喉元に噛みついた
案の定わんこは切ない声を上げてすぐに降参の体勢だ
一度目でだいぶ弱っているのだろう
思い知ったかっ、しるばーふぉっくすの底力をっ
ふぉっふぉっふぉっ!

それにしてもしるばーふぉっくすをひらがな表記にすると
あまりかっこよく感じないのはなぜだろう・・まっいっか

噛みつく、しゃぶる、舐めまわす、吸いつく、んれろれろする
エトセトラエトセトラ・・
しるばーふぉっくすは技のデパート、いや総合商社なのだっ
あ、ちっと表現が古かった、すまない
あの重量感たっぷりの甘く香ばしいクリーム・・
思わずスプーンごとしゃぶりついてしまった昼間の僕・・
無作法だった
すまない・・
だが、もう遠慮はいらないっ
はるみ君っ、次回は春の海でも夏の海でも何でもかまわんっ
ずずずずずずずいっと籠を僕の前に出してくれっ
僕はそれを満面の笑顔で受け止めようっ
君の愛の証を・・じゅるじゅる・・
っといけない、ヨダレがわんこにかかってしまった・・
まっいっか、どうせもうぺちょぺちょだし
ふぉっふぉっふぉっ!

ぜろぜろ・・
順調にカロリーを消費しつつある
2回目も順調にわんこを征服した
もうチマチマすとれっちなどやる必要はない
毎晩毎晩、わんこをいたぶってやればそれですむのだ
どうだ、わんこっ!
そんな目をしてもだめだ
僕はもう以前の僕ではないのだから
純血貴種のしるばーふぉっくすさまなのだっ
ふぉっふぉっふぉっ!

僕の頭の中では、昼間とある場所で見た
べすとふれんどのこどもパンと籠に入ったクリームパンが渦巻いている
あのためなら僕はすべてを投げ出そう
どんな犠牲も払おう
さあ、わんこっ!
もう一度だっ!いくぞおおおおおおおお!
ふぉっふぉっふぉっ!


ごきっ!!!!
はぅっ!!!!


「・・・はひぃ・・」
「あ~あ、やっちゃったあ」
「ひ、ひぃん・・」
「あんまり激しくやると、腰にくるんだよ。わかりますかあ?銀狐さん?」
「あう・・ちっ」
「だからこうならないように、メニュー作ってあげて腰の強化もしてあげてたのに。
どうしたの、今夜は?勝手に盛り上がって勝手にこけちゃって。
何か運動量増やさなくちゃいけないようなことしたの、昼間?え?どうなのよっ!」
「べ、べちゅに・・あうっちっ・・」
「casaに行ったってことはテソンさんから聞いてるから、大体想像はつくけどね」
「・・・」
「まったく、これでまたメニュー作り直しですよ。当分激しい運動できないから
もうちょっと本格的に食事でコントロールしないとね。やっぱテソンさんに相談だな」
「ひゃい・・」
「今湿布してやるからじっとして待っててよ。ほっんと手のかかる人だなあ・・
2ラウンドでごきっか・・まったく・・せめて3ラウンドは行ってほしかったよねえ」
「ひゃい・・」

は、はるみ君そして、ま、まいべすとふれんど・・
しゅまない・・
わ、我が闘争はかくして敗れたり
む、無念じゃっ・・
あうっち・・


casaブログ


p-report    ぴかろん 

「泣くな!泣くやつがあるかい!…んで?…ほぉ…ほぉほぉほぉへぇぇええええええっ?!…。そこまでやりよったんかい!はぁぁああ…。ん…。ちょっとぐらい泣いてもええわ…。俺でも泣くわ、それやったら…ん…ん…わかった。それはほんまにご苦労さんやった。まぁゆっくり休んでや…。お前も徐々に慣れてくやろ。俺も最初は毎日フラッシュバックやったからな…わかるわその気持ち…ん…がんばりや。ほな…。はぁぁ…」
「あの…ぱしゃん、何かあったでしゅか?」
「おう…ゴサ担からの報告やってん…はぁ…」
「ゴサ担…って…イナしゃんとこのぱでぃしゃんれすね?なんの報告れすか?」
「…五歳児がいきなり成人しよったらしいわ…ふぅ…」
「成人?」
「五歳児ボヘミアンしてたやろ?部屋によりつかんとあっちフラフラ~こっちフラフラ~して、まぁ一回パンもって帰ってきたことあったか?きちゅねに食わせようとしてた時や、ああホレホレあの危険人物がこの部屋に入って、猟犬が部屋出た隙に、あちこち匂い嗅いだり一人で身悶えしたりしてたやろっあの日は平和やったんや…ところがや…」


そう…それはのどかなある日の午後れした
僕は主の帰らない部屋でのんびりと過ごしておりました
夜は寂しいけろ、昼間は結構たのしいれしゅ
通信で仲間たちとお喋りもできましゅしね

その日、突然部屋のドアが開きました
僕は主がお帰りになったのだと思い、姿勢を正しました

入ってきたのは正統派でした
いえ、主も居ました
主はあろうことか正統派をベッドに押し倒し、口から正統派を食べようとしていました
正統派は抵抗を試みておりましたが、やがて諦めたように口を明け渡してしまいました
僕は怖くてどきどきしました
ましゃか主が『人食い』だったなんて…
そりはそりは、あの手の顔はみんなお口がおっきくて、なんでも一口で食べてしまうと知っていましたが
ましゃか『人』まで食うとは…
唇が離された後のおしょろしい地獄絵図を想像して僕はえーんえーんと泣きました
主も正統派も気付きましぇん
やがて主は正統派から唇を離しました
僕は目をちゅぶっていました
れも、好奇心には勝てましぇん…
口を食べられた正統派の姿を克明にレポートしなくては…と『特派員』としての本能が働きました
そして見ました
あれ?
無事です
そしてその後は正統派が主の口を食べました
二人は暑がりのようで、お互いのお洋服を脱がせっこしていました
二人はまもなく丸裸になりましたが、暑いのならくっつかずに離れればいいのにと思いました
れも、二人はじゅーっとくっちゅいていたのれす
時々唇を離しては「ああ」とか「いい」とか「うう」「え」「おお」と、発声練習などしていました

僕は知っていましゅ!
きちゅねんとこの猟犬と、天使んとこのくるまやがなにやら「ぼいすとれーにんぐ」をしている事を!
あの二人はCDデビューを目論んどるらしいで…とボスのぱでぃんとんしゃんからこないだ全員に一斉通信が流されたところです
ですから主と正統派もそれに便乗してCDデビューするのだと思いました
しゅごい事でしゅ
れもどうしてくっちゅいて、しかもまるはだかなのれしょう…

そのうち二人はお互いの体を食べ始めました
僕はもう騙されないのれす
ほんとうに食べているのではありません
では何をしているのれしょう…
唇がからだに吸い付くたびに片方が発声練習をします
長い長い変な発声練習の後、正統派が主の脚を持ち上げておおなどといいながら前に進みました
主もああなどといいながらブリッジで背筋を鍛えていました
歌だけでなくダンスもやらかすんでしょうかっ(@_@;)

そのあと正統派はおそろしい勢いで腰の運動をしていました
前後、左右、円運動とそれはそれは壊れそうなぐらい激しく運動していました
かと思うと急に動きを止め、インターバルを取ったりしていました
インターバルの間、正統派は主を妖しげな瞳で見つめ、にやりと笑ったりしました
僕はとても怖いと思いました
主はインターバルだというのにはあはあと息を切らして小さな発生練習をしていました
時々正統派の名前だと思われる「てじゅ」などという言葉も交えました
正統派はたっぷりと主を見つめた後、急にまた主の口を食べました
主はあまりに突然口を食べられたので「はふ」などと息を漏らしていましたが、正統派のなすがままの状態でした
そしてまた正統派は動き始めました
それと同時に主もなんだか動いているように思えました
そして食べられている口から悲鳴のような声を出しました
え…演技の練習れしょうか…(@_@;)

やがて正統派は主の口を食べるのを止めて息を切らしながら主の名前を呼び始めました
主もまた「てじゅ」などという言葉を何度も発しておりました
正統派の動きが今まで以上に激しくなり、主は発声練習に余念がありません!
突然正統派が主から離れ、主は泣き声のようなものを上げました
しょしてはあはあいいながら今度は主が正統派にくっつきに行きました
暑がりなのか寒がりなのかわかりましぇんっ!
しかし正統派はくっついてきた主を邪険に扱い、ベッドに主の頭を押し付け、ストレッチの体勢を取らせました
主に肩、背中などの筋肉を解すストレッチのように思われました
ヨガでいう猫のポーズでしょうか…
主は体が柔らかいので、上手にストレッチできていました、ぱちぱちぱち
僕は思わじゅ拍手して、主の美しいボデーラインを眺めました
特に背筋が素晴らしいのれしゅっひひん
しょして僕の目は主の美しいおケツにたどり着きました
しょの時の僕の驚愕と言ったら…

正統派は主のその辺りを念入りに調べているのれしゅ
僕は初めてシリました…いえ、知りました
正統派は実はこうもんかの医者だったのれすね

主は正統派が調べている間も発声練習に余念がなく、また、ストレッチのポーズもゆっくりと変えたりなどしてダンスのための準備をしているようでした
調べ終わった正統派は「ふぬ」などという声を上げながら主の腰に手を当てて、また腰の運動を始めました
主は「高い声」を出す練習とストレッチを繰り返しています
れも正統派の運動はかなり激しいのでベッドがギシギシときしんでいて怖かったれしゅ
主は「もうだめ…」とギブアップしそうになりました

が、正統派は「まだまだ!」と許しません
許していないくせにまたパッと主から離れました
主は「ぁああ」と言いながらベッドに崩れ落ちました
よっぽどきついストレッチだったのれすね?

はあはあ息を切らせながら、主は正統派に向かい合って座りました
向かい合ってというより、重なって…と言った方がよいかもしれましぇん
そして今度は「お」の発声練習をしました
正統派は主の胸の辺りの肉を食べているようです…怖いです
主はまた背筋を鍛えながらこんどは「あ」の発声練習です
この二人はサーカス団でしょうか?
やがて主は背筋だけでなく、脚、特に太腿あたりの筋肉も鍛え始めました
今度は正統派も「低いあ」の発声を練習し始め、二人の発声練習はあまり美しくないハーモニーとなって部屋中に響き渡りました
リズムもめちゃくちゃですし…音程的にも不愉快でしゅ…
その上正統派は主の名前を呼びながら泣いていましゅし、主もまた「てじゅ」などと言いながら頭を左右に振っていました
そんなに暑いなら離れるべきでしゅ!そしてこんな不協和音ではとてもCDの発売などできましぇんっ!
僕は少し腹が立ちました
こんな事では猟犬とくるまやに負けてしまいます!
主には常に輝いていてほしいのでしゅ
パディントンズの願いは「主の栄冠」でしゅ!

正統派はとても苦しそうでした
らって主を抱えながら腰の上下運動をしているんでしゅもの…
そんなに腰を鍛えてオリンピック目指しているのれしゅか?何の競技れしゅか?
暫く体を鍛えた後、ひときわ苦しそうな声を発しながら主と正統派はがくがくと震えていました
これは暑いのでしょうか寒いでしょうか
暑すぎて大量に汗が放出され、急激に体温が落ちて寒くなったのれしょうか…
主は激しい気温の変化に耐え切れず、気を失ったようでしゅ
正統派は息も絶え絶えなのに主の背中を支えました
よし!ナイスキャッチら!
しょして主に人工呼吸を施し、主の命を救ったのれす
僕はちっとらけ感動しました
れも、死にそうになるほど運動しなくてもいいのではないか…とも思い、二人の無謀な行為に腹が立ち、しょして泣けてきました
運動のあと、二人はしょのままベッドに倒れこみ、ぼそぼそと運動の反省点などを話し合っていたようれす
時々息が止まるのか、お互いに何度も人工呼吸をしていました
運動でもなんでもやりすぎてはいけない!と僕は肝に銘じたのでした
しょの事をぱでぃんとんしゃんに報告すると、ぱでぃんとんしゃんは

「ふらっしゅばっくに苛まれるなよ」

とアドバイスをくだしゃいました…
ふらっしゅばっく?
なじぇ?

ああ…「不協和音」でしゅね…大丈夫でしゅ…あの程度なら…けひん…









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